こんにちは!京都、西院にある『日本初!管理型パーソナルジムDELTA』トレーナーの平井です!
「運動しないと痩せない」
そう思っている人ほど、実は見落としやすいのがNEAT(非運動性熱産生)です。
NEATとは、ジムやランニングのような「運動」ではなく、立つ、歩く、掃除する、階段を上る、料理をする、通勤するといった、日常生活の中で自然に行っている動きによって消費されるエネルギーのことです。NEATは、睡眠・食事・スポーツのような運動を除いた日常の動きで生まれるカロリー消費として定義されています。
ダイエットというと、有酸素運動や筋トレばかりに意識が向きがちです。もちろんそれらも重要ですが、例えば毎日1時間ジムでの運動を継続できる人はなかなかいませんよね。その一方で、NEATは通勤・仕事・家事・移動の中で積み上げられるため、忙しい人でも取り入れやすいのが大きなメリットです。だからこそ今、「運動が苦手でも消費カロリーを増やしやすい方法」としてNEATが注目されています。
目次
NEAT(非運動性熱産生)とは?

NEATは、英語のNon-Exercise Activity Thermogenesisの略です。日本語では「非運動性熱産生」または「非運動性活動熱産生」と呼ばれます。簡単に言えば、日常生活での身体活動で消費されるエネルギーです。たとえば、洗濯、掃除、料理、買い物、犬の散歩、通勤、階段上り下りなどがNEATに含まれます。
なぜNEATがダイエットで重要なのか
人の総エネルギー消費量は、大きく基礎代謝量・食事誘発性熱産生・身体活動量の3つで構成されます。e-ヘルスネットでは、標準的な身体活動レベルの人の24時間の総エネルギー消費量のうち、身体活動が約30%を占めると整理されています。
そして、その身体活動の中で見逃せないのがNEATです。Levineらの研究では、肥満者は振っていない人より平均で1日約2時間長く座っていたとされ、もし肥満の人が痩せた人のようなNEAT行動をとれば、1日あたり約350kcal多く消費できる可能性が示されました。肥満者のほうが座位時間が164分長く、その差が約352±65kcal/日の追加消費に相当すると紹介されています。
つまり、ダイエットで重要なのは「たまに激しく運動すること」ではありません。毎日どれだけ座らず、どれだけこまめに動くかも、体重管理に直結します。NEATは派手ではありませんが、習慣化すると非常に効率の良い方法になります。NEATは1日の総消費エネルギーの中でも個人差が大きい要素であり、低いNEATは肥満と関連しています。
NEATと基礎代謝・運動の違い

NEATを理解するうえで混同しやすいのが、基礎代謝や運動との違いです。
基礎代謝は、呼吸や心拍、体温維持など、生きているだけで必要なエネルギーです。食事誘発性熱産生は、食べたものを消化・吸収する過程で生じるエネルギー消費です。そして身体活動は、「生活活動」と「運動」に分かれます。NEATは、このうち生活活動側に属するエネルギー消費と考えるとわかりやすいです。
また、NEATは運動の代わりというわけでもありません。週150~300分の中強度の運動またはそれに相当する活動+NEATを増やすのがベストです。
NEATを増やすメリット
NEATを増やす最大のメリットは、無理なく消費カロリーを底上げできることです。わざわざ運動の時間を確保しなくても、生活の中にある動きを増やすことで、1日の総消費エネルギーは上げられます。特にデスクワーク中心の人、在宅ワークが多い人、運動が苦手な人ほど、NEAT改善の伸びしろは大きいです。
さらに、NEATは「痩せるため」だけでなく、「座りすぎ対策」としても有効です。WHOは、座位行動が多いほど総死亡、心血管疾患、2型糖尿病、がんなどのリスクに悪影響があるとしています。しかもこの論文の面白いところは、どれだけ運動習慣がある人でも「座る」という行為は独立して上記リスクを上げるという報告があるところです。
今日からできるNEATの増やし方15選
ここからは、実際にNEATを増やす方法を紹介します。ポイントは座る時間を減らす・歩く量を増やす・立つ場面を増やすの3つです。
自宅でできるNEAT向上
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歯磨き中は座らず立つ
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テレビのCM中だけ立つ、足踏みする
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洗濯物はまとめず、こまめに運ぶ
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掃除機がけや拭き掃除を「少し丁寧に」行う
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料理中に座らない
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スマホで通話するときは歩く
仕事中にできるNEAT向上
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30~60分に1回は立ち上がる
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コピー機やゴミ箱をあえて少し遠くに置く
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1~2階の移動は階段を使う
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メッセージで済ませず、可能なら席を立って話しに行く
通勤・外出でできるNEAT向上
一駅分歩く
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電車では座らず立つ時間をつくる
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近場の買い物は車ではなく徒歩や自転車にする
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駐車場や駅では少し遠い場所を選んで歩数を増やす
こうした行動は一つひとつは小さく見えますが、NEATは本来「小さい動きの総量」で差がつくものです。派手な運動よりも、毎日続くことが強みです。
NEATの消費カロリーはどれくらい?
NEATの消費カロリーは、体重・活動時間・活動強度で変わるため、万人に共通の数字はありません。ただし、メッツ(METs)を使えば大まかに計算できます。成人版メッツ表では、消費カロリー = メッツ値 × 体重(kg)× 活動時間(時間)とされており、例として3METsの活動を体重50kgの成人が30分行うと75kcalになります。
この考え方を使うと、「立つ」「ゆっくり歩く」「家事をする」といったNEATも、積み重なれば決して小さくないことがわかります。
NEATを増やすときのコツ
NEATを増やすコツは、いきなりいろいろやることではありません。まずは座っている時間減らすだけでいいです。
そのうえで、それを「仕組み化」にする。
たとえば、電話は立って取る、昼休み後に5分歩く、エレベーターではなく階段を選ぶ、会議前後に一度席を立つなど、行動のトリガーを固定すると習慣になります。
習慣化してしまえばもう後は何も考えずとも勝手に消費カロリーが上がります。
NEATを増やしても痩せない人の特徴
NEATは万能ではありません。NEATが高くても生活習慣が乱れていれば普通に太ります。
まず、食事量がすごく多い場合です。NEATで消費カロリーが増えても、摂取カロリーがそれ以上に増えれば体重は減りません。肥満や体重増加の大前提はカロリー収支です。
次に、「動いたつもり」で実際は座っている時間が長いままのケースです。朝に少し歩いても、その後ずっと座っていれば、1日トータルでは活動量は伸びません。NEATは「1回の動き」ではなく、「1日全体での動き」で決まります。
最後に、短期間で結果を求めすぎることです。NEATは筋トレやランニングのように「やった感」は出にくいですが、逆に言えば生活に溶け込みやすく、継続により差がつきやすい方法です。
よくある質問
ウォーキングはNEATですか?
目的によります。健康増進やダイエットのために計画的に行うウォーキングは「運動」です。一方、通勤、買い物、移動のために自然に歩く行為は「生活活動」に入り、NEATになります。
NEATだけで痩せられますか?
NEATはダイエットの土台として非常に有効ですが、NEATだけで必ず痩せるとは言えません。結局は食事・運動・睡眠・生活全体のバランスで決まります。ただ、座る時間を減らすことは、消費エネルギーの底上げと健康維持の両面でメリットがあります。
どれくらい増やせばいいですか?
厳密なNEATの「正解」はありません。まずは、座りっぱなしを減らすこと、歩く時間を増やすこと、そして日本のガイドにあるように今より少しでも多く身体を動かすことから始めるのが良いです。ガイドライン上では、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上行うことが推奨されています。
まとめ
NEAT(非運動性熱産生)とは、運動以外の日常動作で消費されるエネルギーのことです。掃除、料理、通勤、階段、立ち仕事、歩行など、私たちの毎日の中にはNEATを増やせる場面がたくさんあります。
ダイエットで大事なのは、「たまに頑張る」ことよりも、「毎日どれだけゆるく動けるか」です。忙しくて運動時間が取りにくい人ほど、NEATの考え方は相性が良いはずです。まずは今日、1回でも立つ回数を増やす、1回でも階段を使う、1回でも歩く距離を伸ばす、ことから始めてみて下さい!
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参照論文
Levine JA. Non-exercise activity thermogenesis (NEAT)
Levine JA, Lanningham-Foster LM, McCrady SK, et al. Interindividual variation in posture allocation: possible role in human obesity
Chung N, Park MY, Kim J, et al. Non-exercise activity thermogenesis (NEAT): a component of total daily energy expenditure
Villablanca PA, Alegria JR, Mookadam F, Holmes DR Jr, Wright RS, Levine JA. Nonexercise activity thermogenesis in obesity management
Bull FC, Al-Ansari SS, Biddle S, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour
Dempsey PC, Friedenreich CM, Leitzmann MF, et al. New global guidelines on sedentary behaviour and health for adults: broadening the behavioural targets